一口に地方医療といっても、その現状はさまざまです。例えば街に1件しかない病院には、いつも患者があふれています。そうです、慢性的な医師不足なのです。したがって、診療科目をたくさん持っている医師の元に多くの患者が殺到するのです。長い待ち時間を経ても立った数分で診察が終わる、なんて病院も少なくないのです。
一方では、過疎地にある病院のため、午前中で院内診療を終えて午後は往診に回る、といったケースもあります。これなら家にいながらにして診察は受けられますが、高度な治療を要するときはやはり大きな病院まで時間をかけて足を運ぶようになってしまいます。地方医療はそういった部分で苦労が耐えないのだと思います。
一方、地方医療のいいところは、地域とのコミュニケーションが密に図れるという点にあります。地域に根ざした病院として、その地域の方とうまくコミュニケーションが取れれば、例えば緊急時にもすばやく対応できると思うんです。地域の方の協力なくして地方医療は成り立たないのが現状でしょう。地方医療は、地域密着型の病院がほとんどなのです。
このように、地方医療は、いかに密接な関係を結ぶかで大きく変わってきます。ですから、医師自ら街に出向いていって顔だけでも知ってもらう、そして病院へ足を運んでもらう、これが大事なのです。地方医療に携わる医師には、積極的にあちこちに足を運んでもらいたいものですね。そして病院が活性化されれば言うことなしです。